フェンシングあれこれ

わかりづらいフェンシングのあれこれについて紹介しています。

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試合のルールについて②

こんにちは。かなおです。

前回はフェンシングの試合のルールについて紹介しましたが、今回はその続きとなります。

 

 

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◆反則について

   フェンシングにも反則ルールがあります。

   反則の内容により、以下の3種類のいずれかのカードが提示されます。

 

 ◯イエローカード

  ・2枚もらうとレッドカードと同じ扱いになり、相手に1点が加算されます。

 

 ◯レッドカード

  ・1枚でもらうだけで相手に1点加算されます。

 

 ◯ブラックカード

  ・一発退場。一定期間試合に出られなくなります。

 

◆イエロカードが適用される反則技の主な例

 ◯身体的行為

  ・相手が攻撃してくる時などに頭を下げる行為

   (被っているマスクは後頭部部分が空いているため、頭を下げるとマスクがない部分に剣が刺さってしまう可能性があり、非常に危険なため。または頭を下げることによって、自分の有効面を隠してしまうことになるため。)

  ・腕で自分の有効面を隠すような動作をとった時

  ・試合中に後ろを向く

  ・相手への恋な体当たり   など

 

 ◯ピストの反則ラインから両足が出た時

 

 ◯その他

  ・試合中、審判等への暴言、侮辱発言、反抗等

  ・うるさすぎる応援(特に団体戦の時。出されたことがあります・・・)

  ・剣や防具等の不備(不備があまりに多い場合)

  ・試合に消極的(攻める姿勢が足りない時等に出ることがあります。)

 

反則の悪質さによっては、一発でレッドカードが出される場合もあります。

審判の判定に納得がいかないからと侮辱発言や遠回しの侮辱行為を繰り返すと審判に目をつけられますので、ご注意を。

(審判も人間なので、審判の心証は良くしておいた方が無難です・・・)

 

◆ビデオ判定

 国際大会のみですが、フェンシングでもビデオ判定が導入されています。

 ビデオ判定は1試合2回まで権利があり、自己申告制です。

 審判の判定に不服がある時など「今のは明らかに自分の得点だ!」と思った時はビデオ判定を要求できます。

 ビデオ判定の結果、判定が覆ればビデオ判定の権利は減りません。ビデオ判定に失敗するとビデオ判定の権利が減ります。

 

フェンシングは剣の動きが早く、攻撃権の移り変わりも激しいため、どんなに目の肥えた審判でもミスジャッジをしてしまうことがあります。

ビデオ判定が導入されて、以前よりもミスジャッジが減ったのではないでしょうか。

 

ここまでフェンシングの試合のルールについてご紹介してきました。

難しい言葉も多かったかと思いますが、ちょっとでもご理解いただけたらうれしいです。

 

次回は、フェンシングの基本的なルールについてご紹介していきたと思います。

 

 

試合のルールについて①

こんにちは。かなおです。

前回まではフェンシングの用語について紹介してきました。

今回は、フェンシングの試合のルールについて紹介したいと思います。

 

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◆競技時間について

   競技時間は、1試合3分です。

   審判の「アレ(始め)」のかけ声で始まり、「アルト(やめ)」のかけ声で試合とともに時間も止まります。

 審判が試合を止めるのは主に以下の場合です。

 ・どちらかが突いた時

 ・剣やワイヤーなどの不具合で審判機のランプがついた時 

 ・反則行為があった時

 

◆競技場(ピスト)について

 フェンシングの競技をする場所を「ピスト」と呼びます。

 フェンシングは前後に動くスポーツなので、縦長の形をしています。

 ・サイズ:長さ14m×幅1.5m〜2m

 ・材質:試合会場によって様々ですが、剣で突いても反応しないように設定します。

 

◆試合の始め方・終わり方について

 ①マスクを外して手に持ち、剣を相手の足元に向けた状態で開始線に位置に立ちます。

 ②審判の「ラッサンブレサリュー」の合図で、剣を相手に向けながらお互いに挨拶をします。

 ③審判の「オンガード」の合図でマスクを被り、開始線の位置に構えて静止します。

 ③審判の「エドプレ、アレ」の合図で試合開始。 

 ④(どちらかの勝敗が決まり)審判の「ラッサンブレサリュー」の合図でマスクをとり、相手と握手をして試合終了です。

 

◆勝敗の決め方

 勝敗の決め方は2パターンあります。

 A.5本勝負

  3分間で5点先取した方が勝ちです。

 B.15本勝負

  9分間で15点先取した方が勝ちです。最大で3分×3セット試合が行われます。

  3分ごとに1分間のインターバル(休憩)を挟みながら試合を行います。

  1セット目で15本取ることは難しいですが、2セット目で15本先取してしまえば、3セット目は行われません。

 

※5本勝負も15本勝負も同点でタイムアップになってしまった場合は、1分間のサドンデス戦(延長戦)を行います。

【サドンデス戦のルール】

 ①サドンデス戦の前に「アドバンテージ」を決めます。

  この「アドバンテージ」は、サドンデス戦でも勝敗がつかなかった場合に有効になるものです。

 アドバンテージは、それまでの試合の流れなどは関係なく、審判機のルーレット機能などで決まります。

 ②サドンデス戦は1分間1本勝負。どちらかに点数が入った時点で勝敗が決まります。

 ③1分間試合しても勝敗がつかなかった場合は、アドバンテージを持っている方が勝ちとなります。

 

 サドンデス戦は非常にシビアです。

 サドンデス戦の前にアドバンテージをルーレットやくじで決めますが、アドバンテージがあるからと言って決して有利なわけではありません。

 

 アドバンテージがない方は、そのままだと負けてしまいますので、嫌でも点数を取りに行かないといけません。かと言って、攻めすぎても相手からカウンターを食らってしまったり、守りの技で点数を取られることもあります。

 

 逆にアドバンテージを持っているからと言って、守ってばかりいても試合に消極的とみなされ、反則を取られることもあります。

 技の力量だけでなく精神的な強さと試合を読む力、運を味方につける力もないとこのサドンデス戦をものにすることはできないのではないかと思います。

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今回は以上です。

次回もフェンシングの基本的なルールについて紹介していきたいと思います。

 

まるで呪文のよう? フェンシング用語集〜その②〜

前回はフェンシング用語の中でも試合で使う用語を中心にご紹介しました。

今回は練習などで使用する、フェンシングの動きや技などに関する用語についてご紹介したいと思います。

 

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【動きに関する用語】

 ・マルシェ → 1歩前進  ※2歩前進は「マルシェ ドゥ」となります。

 ・ロンぺ  → 1歩後退

 ・ボンナヴァン → 前にジャンプ

 ・ボンナリエル → 後ろにジャンプ

 ・ファント → 攻撃する時に、相手を剣で突きながら足を前に大きく踏み込む技

 ・クドマルシェ → マルシェファント

 

 

【剣を構えるポジション】

 剣はヒジを約90°曲げる形で構えます。

 ・カルト        → 自分から見て剣の内側を守るポジション(左利きなら剣の右側、右利きなら剣の左側)

 ・シックスト → 自分から見て剣の外側を守るポジション(左利きなら剣の左側、右利きなら剣の右側)

 ・セプティム → 自分から見て剣の下内側を守るポジション(左利きなら剣の右下側、右利きなら剣の左下側)

 ・オクターブ → 自分から見て剣の下外側を守るポジション(左利きなら剣の左下側、右利きなら剣の右下側) 

 

 

【剣の動き・技について】

 ・ディガジェ → 自分の剣を相手の剣の下側を通過させて突く技(自分の剣が左側にあれば、右側に剣を移動させて突く)

 ・ユヌ ドゥ → ディガジェを2回する(自分の剣が左側にあれば、1回右に移動させ、また左に移動して突く)

 ・バッテ → 相手の剣を叩く行為

 ・パレ、パラード → 剣での防御(相手が攻めてきた時に、自分の剣で相手の剣を叩いて相手の攻撃を阻止する行為)

 

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難しい言葉が多いですね。。。

今回ご紹介した用語は、あまり試合などでは出てこない言葉かと思いますので、

特に覚えなくても試合を見る分には問題ないと思います。

フェンシングをこれから始めたい方や用語を覚えたい人はぜひ覚えてみてください。

 

前回と今回はフェンシング用語についてご紹介してきました。

フェンシング用語はこの他にもまだありますので、もしご興味がある方がいらっしゃいましたらぜひ調べて覚えてみてください。

 

 

次回は、フェンシングの試合に関する基本的なことについてご紹介していきたいと思います。

 

まるで呪文のよう? フェンシング用語集〜その①〜

 

今回は、フェンシングを知るにあたって重要なフェンシング用語についてまとめてみたいと思います。

 

フェンシングの言葉は基本的にはフランス語です。

「始め!」や「やめ!」といった言葉もフランス語ですし、得点の数え方もフランス語です。なかなか聞き慣れない言葉が多いので「何て言った?」状態になるかと思いますが、興味がある方はぜひ覚えてみてください。

 

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【挨拶や構えを促す用語】 

 ・ラッサンブレ サリュー → 気をつけ、礼

 ・オンガード、アンガルド →  構え

 ・エドプレ、プレ →   用意

 

【号令】

 ・アレ  →   始め

 ・アルト →   やめ

 

【攻撃に関する用語】

 ・アタック → 攻撃

 ・トゥシュ → 突き(試合中は得点が入った時に使われます)

 ・ノンヴァラブル → 攻撃したが得点にならない時

 

【技の名前】

 ・コントルアタック →   攻撃権のない状態で行うアタック

 ・リポスト →    相手の剣の攻撃を自分の剣で防御した後すぐに突き返す技

 ・コントルリポスト → 相手からのリポストをさらにリポストする技

 ・アタックオフェール → 自分に攻撃権があり、攻撃する際に相手の剣を叩きながらアタックする行為

 ・プリーズドフェール → 相手が攻撃してくる途中に剣を叩いて攻撃権を奪い、相手を突く行為

 ・ルミーズ → 自分の攻撃終了後、攻撃権がないまますぐ相手を突く行為

 ・シュミルターネ → 双方に攻撃権があり同時に突いた時

 

【点数の数え方】

 ・ゼロ → 0

 ・ユヌ → 1

 ・ドゥ → 2

 ・トロア → 3

 ・キャトル → 4

 ・サンク → 5

 ・シス → 6

 ・セット → 7

 ・ユイット → 8

 ・ヌウ → 9

 ・ディス → 10

 

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上記の言葉を使って試合の一連の流れ(例)を紹介したいと思います。

 

 審判:「ラッサンブレサリュ」(お互いに挨拶して)

 選手:「お願いします!」※対戦相手と審判に向かって挨拶し、挨拶後マスクをかぶる

 審判:「オンガード」(構えて)

    「エドプレ」(用意はいい?)

 選手:「ウィ」(はい)

 審判:「アレ」(始め)

 

・・・右側の人が得点を決めた時・・・

 審判:「アルト」(やめ)

    「アタック トゥシュ」(右側の人の攻撃が決まりました)

    「ユヌ ザ ゼロ」※1対0

    「オンガード、プレ、アレ」(構えて、用意、始め)

 

・・・左側の人が攻撃をしたが突けず、逆に右側の人が攻撃し得点を決めた時・・・

 審判:「アルト」(やめ)

    「アタック ノン コントルアタック トゥシュ」(左側の人が攻撃権を持っていて攻撃したが突けず、攻撃権のない右側の人の攻撃が決まりました)

    「ドゥ ザ ゼロ」※2対0

    「オンガード、プレ、アレ」(構えて、用意、始め)

 

・・・5点目が入り、試合が終わる時・・・

 審判:「アルト」(やめ)

    「リポスト トゥシュ」(左側の人の攻撃を右側の人が防御して突き返し、攻撃が決まりました)

    「サンク ザ ドゥ」※5対2

    「ラッサンブレサリュ」(お互いに挨拶)

 選手:「ありがとうございました」※マスクを外し、握手をする

 

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このような感じで試合は行われます。なかなか難しいですね。

私も覚えるまでにちょっと苦労しました^^;

実際の試合(特に世界大会)だと、審判の発音が良すぎて聞き取れないこともあるかもしれません。

 

興味のある方はぜひ覚えてみてください。

次回もフェンシング用語について簡単に紹介していきたいと思います。

 

 

 

このブログについて

こんにちは。管理人のかなおです。

 

 

2020年になって早5ヶ月。

ついにオリンピックイヤーです。

※オリンピックは2021年に延期になりました。

 

オリンピックの種目には、柔道や水泳、陸上、レスリングなどなど常にメダルが期待される竸技からボルダリング、空手、サーフィンなど今回から新しく追加された竸技まで様々な種目がありますが、

 

皆さん、「フェンシング」はご存知でしょうか??

 

 

「え、あの白い全身タイツでやる竸技?」と思ったそこのアナタ!

全身タイツではないのですよ。(後で詳しく話しマス)

 

 

「剣の動きが早すぎて何をやってるのかよくわかんなーい。」「攻撃権ってナニ?」

おっしゃる通りです。(これも後で詳しく話しマス)

フェンシングはルールも難しく、身近なスポーツでもないのでなかなか理解することが難しいと思います。

 

オリンピックチケットを手当たり次第に申し込んだらフェンシングが当たっちゃった。

というそこのアナタ!

 

 

安心してください。

このブログではフェンシング経験者の管理人が、ちょっと難しく普段は縁遠い「フェンシング」をちょっとばかりわかりやすく説明していけたらと思っております。

 

このブログを読んでちょっとフェンシングを勉強したら試合をおもしろいと感じられるようになれるかもしれません。(もしかしたらやってみたいと思えるようになるかも!)

 

 

フェンシングはルール(特に駆け引き)を理解してから試合を見るととてもおもしろいスポーツです。

(それを理解するのが1番難しいのですが・・・)

フェンシングのおもしろさに気づく人が今よりちょっとでも増えることを願ってこのブログを頑張りたいと思います。

 

興味がある方、ちょいとおヒマな方はぜひ読んでみてください。

よろしくお願いいたします(^ ^)